2009-03-10

東京消防の無線がデジタル化されたようですね

150MHz帯のアナログでは、指令側の音声しか聞こえてないようです(23区内)。おそらく、運用的にはデジタルに移行しつつも、予備的にアナログも使っているといった状況ではないでしょうか。しばらくしたら、全共波以外は聞けなくなるかもしれません。

どうやら、このデジタル変調はπ/4シフトQPSKで8kbpsらしいです。これを受信して、ソフトウェアでデコードできるか否かというのを考えてみると…。

PSKを復調する方法として、SSBで復調してデコードする方法があるのですが、SSBだと普通、帯域幅が3kHzであるため、キャリアの周波数は3kHz以下になるので、π/4シフトQPSKを復調しようとした場合、数百bpsぐらいまでしょう。

別な可能性としては、DRM(Digital Radio Mondiale)をPCで復調する方法と同じ様に、受信機の中間周波を取り出して、サウンドデバイスでキャプチャー可能な周波数まで中間周波を下げて、取り込むという方法があります。

この場合、中間周波数(キャリア)をいくつまで落とすのかという考察は必要かもしれませんが、44.1kHzのサンプリング周波数だったら可能ではないでしょうか。ただし、π/4シフトQPSKの復調だけなら、単にビット列しか得られないわけですから、そこからフレームの解析やコーデックで音声化しなくてはならないので、難しいでしょうね。しかも暗号化されていたら、ほぼ無理でしょう…。

これとは別な話ですが…。彼らがAVMといっているデータ通信ならデコードできそうですが、現在150MHz帯で運用されているのでしょうか?

2009-02-11

関東私鉄空線の仕様(追記)

過去記事にいわゆるNEC式空線の仕様について述べたのですが、他の私鉄のフォーマットを解析してきた結果、いくつか違ったパターンが存在するようなので、現在わかっている範囲ですが、内容をフォローすることにします。

チェックロジック

12bitのCRCでフレームをチェックしているということでしたが、フレーム長が短い場合、10bitのCRCでチェックしているようです。もちろん、生成多項式も異なります。

フレームの繰り返し

1パケット内に同じ内容のフレームを繰り返しているということでしたが、一部の私鉄では、同じ内容ではなく、シーケンス番号(1から順に増えていく数)を含んでいる場合があるようです。ただし、それ以外の内容については同じ物となっているようです(フレームのチェックビットの内容は変わる)。

空線に送られるフレーム

空線時には、各列車ごとに接続を確認するようなメッセージを送っているということでしたが、一部の私鉄では、1つのパターンを送り続けている場合があるようです。この場合、列車を識別するビットの位置には、いわゆる一斉呼び出しと同じビット配列となります。

フレームの再送

接続を確認するようなフレームを空線時に送る場合、同じ列車を識別するビット列に対して、違うコマンド列で2回続けて送信しているというとですが、これは、運転士と車掌の端末に対して送っているようです。ただし、コマンド内のビットがそのまま運転士と車掌の区別をしているというわけではなさそうです。

といったところが、現在わかってきたことになります。なお、関東私鉄空線研究会において、Windowsで動く空線デコーダーのα版テスターを募集しております。また、フォーマットの解析のために録音した空線を送っていただくといういうのでもかまいません。ご参加をお待ちしております。
あと、NEC式私鉄空線は、小田急、東急、西武、京王、東武で採用されていると認識していますが、他の私鉄でも採用されているかどうかがわかりません。情報をお持ちの方がいらっしゃったら、よろしくおねがいします。